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現地レポート

道を照らした3年生の灯火 RSS

2016年12月29日 19時00分

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大会最終日、銅メダルを懸けた男子3位決定戦は、新潟・帝京長岡と石川・北陸学院による北信越ブロック同士の戦いになった。

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帝京長岡の大黒柱として3年間君臨した⑭ディアベイト タヒロウ選手

このうち帝京長岡は、前日に行われた福岡第一(福岡)との準決勝、再延長まで持ち込んだが惜しくも敗戦。インターハイ王者の福岡第一と互角の勝負を繰り広げたとはいえ、惜敗の悔しさは拭い切れず、「気持ちを切り替えるのがすごく難しかったです」と⑧祝 俊成選手は明かす。加えて連戦の疲労もあり、この3位決定戦もなかなか調子が上がらず、第3ピリオドを終えて37−43と苦しい展開に。第4ピリオドには⑭ディアベイト タヒロウ選手の得点や④神田 大輔選手の3Pシュートなどで追い上げたが、最後は北陸学院のエース⑫大倉 颯太選手、④小室 悠太郎選手に活躍を許し、49−59で4位フィニッシュとなった。

2連敗で大会を終え、惜しくもメダル獲得はならなかった帝京長岡。とはいえ、3年連続3回目の出場となったウインターカップで過去最高の4位は、誇れる成績でもあるだろう。特に、この1年はさまざまな苦労を経験してきた。春先はエースの⑭タヒロウ選手がケガに見舞われ、新チームとして好スタートが切れたとは言えなかったし、何よりインターハイ予選は、ライバルの開志国際に逆転シュートを決められ1点差で敗退。主力選手が出場した国体も北信越予選で敗れて本戦には不出場となり、長く全国大会の舞台から遠ざかっていた。

留学生を除いて叩き上げの地元選手たちで構成される帝京長岡は、ディフェンスを中心とした厳しい練習で知られる。それだけに、その練習が報われず、結果の出ない苦しみはなおのこと大きかったが、それでも自分たちの力を信じてそれを乗り越えられたのは、3年生の働きかけが大きかったようだ。

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明るいキャラクターでリーダーシップを発揮した④神田 大輔選手

ポイントガードを務める2年生の祝選手は、試合後、「結果が出ない中、厳しい練習をしてきた時期が一番つらかった。でも3年生がみんなを引っ張ってくれて、乗り越えることができました」と、何度も3年生の存在の大きさを口にした。

帝京長岡のエースは、いわずと知れた⑭タヒロウ選手だが、彼だけでなく、抜群のコミュニケーション能力を生かして大所帯のチームをまとめあげた神田選手や、タヒロウ選手に次ぐ得点源として果敢にリングにアタックした⑦遠藤 善選手、縁の下の力持ちとして体を張った⑤遠藤 健斗選手など、3年生一人ひとりが、チームに欠かせないパズルのピースとして自らの役目を全うしたのだ。

帝京長岡・柴田 勲コーチは夏の負けを経て、「技術的なことよりも、“負けたくない”という気持ちが強くなったことが成長した点」と言う。その強い気持ちを、特に抱いていたのが高校最後の冬に懸けていた3年生たち。どこよりも苦しんできたという自負があり、「バスケットどうこうより、気持ちを強く持てるようになった」(神田選手)という3年生の精神的な成長が、険しい道のりを照らす光となってチームを導いていた。

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メインコートで貴重な経験を積んだ2年生の⑧祝 俊成選手が来年伝統を受け継ぐ

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