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【開幕前コラム②】大会注目選手「誰もがみんな主人公」 RSS

2016年12月21日 21時36分

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 「JX-ENEOSウインターカップ2016 平成28年度 第47回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(以下、JX-ENEOSウインターカップ2016)」の開幕まで、あと2日と迫った。
23日(金・祝)の男女1回戦から29日(木)の男子決勝まで、東京体育館を舞台に行われるJX-ENEOSウインターカップ2016は、選手たちがこの1年間積み重ねてきた努力の結晶を、すべて出し尽くす大会と言えよう。大会開幕前コラムの2回目は、そんな今大会の注目選手を紹介する。

前回大会の準優勝校であり、高校屈指のスコアラーの杉本 天昇選手(土浦日本大学 3年/#5)

前回大会の準優勝校であり、高校屈指のスコアラーの杉本 天昇選手(土浦日本大学 3年/#5)

 過日、当協会(JBA)が2020年の東京オリンピックに向けて発表した「男子日本代表候補 重点強化選手」のなかには、3名の高校生が含まれている。うち1名は今大会への出場が叶わなかったが、2名は出場する。
 杉本 天昇(茨城・土浦日本大学 3年)と、西田 優大(福岡・福岡大学附属大濠 3年)である。ともに男子U-18日本代表として、7月下旬の「第24回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」で準優勝を果たしたメンバーで、今大会屈指のスコアラーだ。杉本 天昇は天性のスコアリング感覚に加え、今年度に入ってディフェンスも向上している。西田 優大は左利きの3Pシューターだが、状況に応じてドライブ、ポストアップとさまざまな攻撃スタイルを選択できる柔軟性を持つ。
 杉本、西田ともに、FIBA ASIA U-18選手権と高校総体の日程が重なっていたため、帰国したときには既にチームが大会を終えていた。それだけに今大会にかける思いは強いはずだ。

 彼ら以外の男子U-18日本代表メンバーでは西野 曜(大阪・近畿大学附属 3年)、水野 幹太(福島・県立福島南 3年)に注目だ。西野 曜は197㎝のセンターで、特筆すべきはその視野の広さ。状況を的確にとらえ、高さで得点すべきか、ディフェンスが自分に集まっているからパスを捌くべきなのかをうまく使い分けられる。一方の水野 幹太は、力強いプレイで得点を量産するタイプ。高校総体では途中からのチーム合流となり、決してコンディションは万全ではなかったが、チームはベスト4まで勝ち進んでいる。コンディションを整えた今大会で目指すのは、その先の舞台だ。

 代表メンバー以外でも、今年度は注目すべき選手が多い。高校総体を制した福岡・福岡第一の重冨周希、友希(ともに3年)は抜群のクイックネスとハンドリング力でチームに勢いをもたらす。双子ならではのコンビネーションにも注目したい。岡田侑大(京都・東山 3年)は飄々とプレイしているように見えるが、オールラウンドにプレイし、さまざまなシーンで得点を重ねていくその存在感は、大会全体を見渡してもトップレベルだろう。ほかにも赤穂 雷太(千葉・船橋市立船橋 3年)は194cmの大型ポイントガードとして、また大倉 颯太(石川・北陸学院 2年)は1対1から得点を量産できる2年生エースとして、今大会でも活躍してくれるはずだ。高校総体には出場できなかった新潟・帝京長岡のディアベイト タヒロウ(3年)はクレバーさが光る、史上トップクラスの留学生である。

高校3冠を狙う桜花学園のキャプテンであり、エースの馬瓜 ステファニー選手(桜花学園 3年/#4)

高校3冠を狙う桜花学園のキャプテンであり、エースの馬瓜 ステファニー選手(桜花学園 3年/#4)

 女子も、11月の第23回FIBA ASIA U-18女子選手権大会で準優勝を果たしたが、そこに名を連ねた選手たちが、今大会でも光を放つことだろう。そのなかでも特筆として、U-18代表に最多6名の選手を送り込んだ愛知・桜花学園の馬瓜 ステファニー(3年)と山本 麻衣(2年)を挙げたい。ともに1年次から桜花学園の主力メンバーに名を連ねている選手たち。センターの馬瓜 ステファニーは高さだけでなく、手の長さを生かしたプレイで攻守においてチームの大黒柱となり、ポイントガードの山本 麻衣は2年生ながら、井上 眞一コーチに「山本は2年生ではない。3年生の動きをする」と言わしめるほどの冷静さとリーダーシップを兼ね備えている。

 馬瓜 ステファニーに対抗するのは、やはり1年次からチームの主力として期待されてきた栗林 未和(北海道・札幌山の手 3年)と赤穂 ひまわり(千葉・昭和学院3年)。栗林 未和は188cmの高さを生かしたインサイドプレイに加えて、徐々にミドルレンジのシュートも身につけてきた。本人は「まだまだ」と言うがドライブにも挑戦中で、その成果を発揮できるか。一方の赤穂は大会屈指のオールラウンドプレイヤーで、インサイドでもアウトサイドでも、そしてディフェンスでも絶対的な存在感を放つ。今年度はチームメイトのケガに泣いた面も否定できないが、高校生活最後の大会でどんな花を咲かせるのかに注目したい。

 ほかにも髙原 春季(大阪・大阪薫英女学院 3年)、宮下 希保(福井・県立足羽 3年)はともにチームに欠かせないオールラウンドなエースで、藤永 真悠子(新潟・開志国際 2年)は男子顔負けの1対1が魅力のフォワード。彼女たちのプレイも必見である。

 むろん代表組以外にも注目の選手はいる。高校総体準優勝の岐阜・岐阜女子の藤田 歩とディヤイ ファトー(ともに3年)がその筆頭。両者とも悲願のウインターカップ初制覇を果たした前回大会の主力メンバーであり、藤田 歩のゲームコントロールと、ディヤイ ファトーのゴール下の強さは今年も健在だ。奥山 理々嘉(東京・八雲学園 1年)や梅木 千夏(愛媛・聖カタリナ学園 1年)など、生きのよいルーキーたちの活躍にも注目したい。

 名前を挙げればきりがないが、その中からここでは男女21名を紹介した。しかし彼ら、彼女ら一人の力だけでこの大舞台にたどり着いたわけではないことを改めて記しておきたい。彼ら、彼女らの能力、才能、努力の成果を引き出すチームメイトがいて、初めて注目される存在足りえることを忘れてはいなけない。受けたパスでシュートを決めることでアシストが成立するように、パスを出し、スクリーンをかけ、リバウンドに飛び込むチームメイトとのつながりがあってこそ、彼ら、彼女らもまた、より明るいスポットライトの下に立てるのである。

 注目選手を支える選手たちもまた注目に値する選手であり、誰もが大会の主人公だ。そんな観点からも、JX-ENEOSウインターカップ2016を楽しんでもらいたい。

いよいよ2日後に迫った「JX-ENEOSウインターカップ2016」

いよいよ2日後に迫った「JX-ENEOSウインターカップ2016」


 
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