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現地レポート

夏の反省を生かし、女王への挑戦権を奪取 RSS

2016年12月25日 13時35分

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女子3回戦において注目を集めたのが、新潟・開志国際と東京(開催地)・東京成徳大学の対戦だ。
というのも、両者は今年のインターハイでともにベスト8まで勝ち上がった実力あるチーム。また、昨年のウインターカップを振り返れば、東京成徳大学は初戦の2回戦(vs安城学園)、開志国際は3回戦(vs岐阜女子)でそれぞれ敗退しており、“前回大会の悔しさを晴らす”という意味でも、負けられない一戦となった。

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ディフェンスで集中を見せた新潟・開志国際

試合は予想外に、いきなり大きく点差が開く展開となった。
開始早々、気迫あふれるプレイで主導権を握ったのは開志国際。激しいディフェンスで東京成徳大学に攻めこませず、⑬藤永 真悠子選手らが速攻に走って、開始5分たたずに一気に11−0で引き離す。出遅れた東京成徳大学は、⑤神﨑 璃生選手の3Pシュートや⑦大原 咲織選手のバスケットカウントなどで反撃を図るが、開志国際の勢いは衰えない。結局、前半を終えて43−23の20点差。中でも藤永選手は、前半だけで20得点を挙げる活躍だった。

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積極的にリングに向かった東京成徳大学⑧濱西 七海

後半、なんとか手を打ちたい東京成徳大学だったが、苦しいシュートが続いてなかなか差を縮められない。シックスマンの⑧濱西 七海選手が果敢にドライブを仕掛けて奮闘するも、前半で開いた点差が最後まで響き、85−65で開志国際が勝利した。

会心のゲームを見せ、ウインターカップでは初となるベスト8入りを果たした開志国際。“凄み”すら感じさせるほどの、その気迫の裏には、今年のインターハイでの悔しい反省があった。準々決勝で札幌山の手(北海道)戦に敗れた後、「勝てば桜花学園と当たるので、そのことも頭にありました。それで力を発揮できなかったのかもしれません…」と話したのは⑫船生 晴香選手。絶対的女王の桜花学園(愛知)を意識するあまり、目の前の試合に全力を出し尽くせなかったのだ。

それゆえに、ウインターカップで同じ過ちを犯すわけにはいかなかった。奇しくも、今大会も東京成徳大学に勝てば桜花学園vs山形市立商業(山形)の勝利チームと当たる組み合わせ。だからこそ、伊藤 翔太コーチは「出し惜しみなく、持てる力を120%出そうと言いました。ここまで来たら、簡単なゲームは絶対にありません。次の試合のことは考えない。あの夏の試合があったから、今日のようなゲームになったと思います」と言う。

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エースとして頼もしさを増した開志国際⑬藤永 真悠子選手

この試合、28得点・9リバウンドの⑬藤永 真悠子選手も、「夏は桜花学園に対戦する前で負けてしまったので、今大会は“一戦必勝”を意識してきました。スタートダッシュを切れた後も、ディフェンスの手を緩めずできたことが良かったです」と試合を振り返った。夏の反省を意識しながら、全員が集中を切らさず全力を出したその戦いぶりは、プレイだけでなく、精神面での成長も感じさせた。

同時進行で行われていた隣のゲームで、桜花学園が山形市立商業を下したことで、開志国際の準々決勝の相手は桜花学園になった。両者が公式戦で戦うのは初めてのことで、「気持ちで負けたら離されてしまうと思うので、挑戦者の気持ちで頑張っていきたいです」と、⑬藤永選手は気合い十分。創部3年目の開志国際にとって、3年間の集大成をぶつけるのにこれ以上ない相手だろう。挑戦者として、どれだけ自分たちの力を出し尽くせるか、勝負の行方を見守りたい。

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